医療機関においては、「紙のカルテのまま診療を続けるか」「電子カルテへと移行するか」のどちらかで悩まれている方も多いでしょう。
今回は、二択で悩まれている方向けに、電子カルテと紙カルテの比較と、電子カルテのメリットとデメリットについて紹介します。
また、導入を検討する際に知っておきたい電子カルテの種類や、導入コストを抑える方法についても紹介します。
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電子カルテとは?紙のカルテとの違い
電子カルテとは、簡単に説明すると紙のカルテ情報などをすべて電子化したシステムのことを言います。
例えばカルテに記載する患者情報や治療内容を、PCやタブレット等で確認することが可能になります。
従来までは紙カルテが一般的でしたが、電子カルテの方が得られるメリットが大きいため、すでに導入している医療機関も増えています。
電子カルテの普及率
厚生労働省では、どのくらい医療機関で電子カルテが導入されているのかを調査した普及状況の推移を出しています。
以下の画像が調査結果となるので、どのくらい普及しているのかチェックしたい方は参考にしてください。
上記が調査結果となりますが、一般病院、一般診療所をチェックしてみると、約半分ほどで電子カルテが導入されています。
また、病床規模によっても普及率は異なり、200床未満では48.8%、200~399床では74.8%、400床以上では91.2%の普及率となっています。
やはり規模が大きければ大きいほどカルテの管理は大変となるため、電子カルテが導入されている印象です。ただし、比較的規模が小さな病院では紙のカルテでも対応できなくはないため、コストも考えると電子カルテへの移行に踏み切れていない印象があります。
電子カルテと紙のカルテの違い
電子カルテと紙のカルテについてどのような違いがあるのか気になっている方も多いでしょう。下記ではそれぞれを比較した表があるので、そちらを参考にしてください。
電子カルテ | 紙カルテ | |
保管場所 | 保管場所に困らない | 保管スペースが必要 |
同時閲覧 | 同時閲覧ができる | 同時閲覧はできない |
検索のしやすさ | 瞬時にカルテを探せる | 管理体制次第 |
紛失・漏洩リスク | リスクは低い | 厳重に管理しなければリスクは高い |
コスト | 導入コストがかかる | 紙、インク代等コストはそれほどかからない |
上記の中でも、特にカルテにおける悩みとして聞かれるのが、保管場所と検察のしやすさです。特に紙カルテにおいては「患者の数が増えれば増えるほど紙が多くなり、管理場所もなくなって大変」と悩む方も少なくありません。
また、「カルテを探すのに時間がかかり、業務効率が悪い」と頭を悩ませるケースも多いです。
これらの悩みは電子カルテにすることによって一括で解消できるため、その点ではメリットが大きいと言えるでしょう。
電子カルテの導入に利用できる補助金につきましては、以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
電子カルテとは、その名の通り紙のカルテを電子化し、電子情報として一括管理、編集が可能なシステムのことです。 業務効率化や省スペース化、必要な情報をリアルタイムで確認できるなど幅広いメリットがあるため、導入を検討している医療機関も数多[…]
電子カルテを導入するメリット
電子カルテは「導入してよかった」と話す医療機関も多いなど、さまざまなメリットがあります。ここでは具体的に導入メリットについて紹介するので、参考にしてください。
【電子カルテのメリット①】業務の効率化
電子カルテを導入することで、業務の効率化につなげることができます。紙のカルテの場合、検査結果やレントゲン写真などを探す時間がかかるなど手間がかかり、看護師の負担が大きくなるケースがあります。
電子カルテなら検索することで瞬時に見つけ出すことが可能なため、医師や看護師の負担は大幅に軽減できるのです。
また、電子カルテの中には紹介状や診断書がテンプレートとして用意されているものもあり、作成する必要がありません。医療以外の業務に時間がとられることが少なくなるため、負担も大幅に軽減させることができるでしょう。
【電子カルテのメリット②】保管スペースで困ることがなくなる
紙のカルテは、患者一人ひとりの情報を一枚ずつ管理しなければなりません。規模が大きくなると管理する書類も膨大な量となり、保管スペースが足りないと悩むケースも少なくありません。
しかし、電子カルテに移行すれば、すべてクラウドの中に管理することが可能なため、スペースのことを考える必要はなくなるのです。
足りなくなったら新たに保管スペースを用意したり、借りたりする必要もなくなるので、大きなメリットと言えるでしょう。
【電子カルテのメリット③】文字が見やすい
紙カルテの場合、すべて手書きで行うことになります。患者への診療を行う際にはどのような症状で悩んでいるのかなどを聞きながら瞬時にメモしなければなりません。
ゆっくりと書いている時間がないため、例えば看護師や事務員への指示もわかりにくく、うまく伝達できないこともあるのです。
これらの悩みは電子カルテを導入することで解決することができます。電子カルテならフォントを自由に設定することができますし、何より統一されたフォントなので、誰が読んでも理解できるようになります。
情報共有もうまくいき、ミスなども未然に防ぐことができるので大きなメリットと言えるでしょう。
電子カルテを導入するデメリット
電子カルテにはさまざまなメリットがありますが、その反面デメリットとなる点ももちろんあります。導入を検討している場合、デメリットも含めて把握しておく必要があるので、ここではデメリットの部分についても紹介します。
【電子カルテのデメリット①】コストの問題
電子カルテを導入する場合、初期費用やランニングコストがかかるケースがほとんどです。種類によっても異なりますが、人気のクラウド型であれば毎月の利用料が発生します。
紙のカルテは紙や印刷コストなどが必要になりますが、それでもコストは抑えることができるため、コスト面で見ると紙のカルテの方が良いと言えるでしょう。
【電子カルテのデメリット②】システムに慣れる必要がある
紙のカルテから電子カルテへ移行するとなると、もう一つ問題としてあげられるのがシステムに慣れる必要があるということです。
紙のカルテは決められたテンプレートに情報を書き込むだけの作業となるため、慣れている方にとってはそちらの方が作業しやすいと感じることもあるでしょう。
電子カルテは大幅に作業方法も変わりますし、PCやタブレットで打ち込む必要もあるため、機械操作が苦手な方にとっては作業しづらいと感じることもあるかもしれません。
ただし、導入して間もないときはどのようなものであっても不自由さを感じることがあります。慣れてしまえば電子カルテの方がスムーズに作業できると答えている方も多いため、システムに慣れる必要があるといったデメリットは、すぐに解消できるでしょう。
【電子カルテのデメリット③】セキュリティリスクがある
電子カルテは基本的にサーバにデータが管理されているため、通常であれば漏洩などのリスクも少ないでしょう。
しかし、不正アクセスやサイバー攻撃などのリスクがないとも言い切れません。外部に情報が漏洩してしまうと大きな問題へと発展することもあるため、セキュリティ対策は必要不可欠と言えるでしょう。
また、電子カルテの中にはタブレット端末にも情報を共有することが可能なものもあるため、端末の紛失をしないよう、管理に細心の注意を払う必要があるでしょう。
電子カルテの種類
電子カルテの導入を検討している場合、知っておきたいのが種類です。電子カルテには大きく分けて2つの種類があるので事前に確認しておきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型の電子カルテとは、院内にサーバを設置し、院内でデータを管理するシステムのことです。
オンプレミス型は自院でシステムを管理できるといったメリットがあり、自由度が高い特徴があります。例えば医療機器や専門機器と連携することも可能など、使い勝手は良いと言えるでしょう。
しかし、オンプレミス型は膨大なコストがかかることがデメリットです。初期費用が高いことや、保守点検にも費用がかかるため、予算なども考えながら最終的な判断をしましょう。
クラウド型
クラウド型は、他社によって提供されている電子カルテシステムサービスを活用する方法です。
自院にサーバを設置する必要もなく、基本的には毎月の利用料を支払うだけで導入ができます。
コストの負担だけで見るとオンプレミス型よりも大幅に安く抑えられるメリットがある反面、あらかじめ用意されたサービスを活用することから、自由度は高くないといったデメリットがあります。
クラウド型で自由診療の医院におすすめの電子カルテ「MEDIBASE」についてはこちらの記事で紹介しています!
自由診療に特化したクラウド型の電子カルテ MEDIBASEとは? クリニックとバックヤードの業務を効率化し、経営を支援する自由診療に特化したクラウド型の電子カルテです。 美容外科・美容皮膚科などを中心に数多くの自由診療医[…]
このように、オンプレミス型とクラウド型は何を重視するかで選び方も変わるため、事前に検討しながらメリットのある方を選びましょう。
電子カルテの導入負担を抑える方法
電子カルテは、オンプレミス型とクラウド型どちらを選んでも費用はかかります。導入コストで悩まれている方は、コストを抑えられる補助金の活用について検討しましょう。
「電子カルテの導入に対応している補助金があるの?」と思われている方もいるかと思いますが、実は「IT導入補助金」は、電子カルテの導入で活用できる補助金の一つです。
実際にIT導入補助金では電子カルテの導入で採択されているケースも多く、補助金を活用して上手に導入している医療機関も少なくありません。
IT導入補助金は最大で450万円まで補助してもらえる規模が大きな制度の一つとなっているので、コストを抑えて電子カルテを導入したいなら活用についても検討してみましょう。
まとめ
今回は電子カルテと紙カルテの違いについて紹介し、メリットやデメリットも詳しく解説しました。
ここ最近では電子カルテの普及率も高くなってきており、その背景にはIT導入補助金の活用ができることも理由の一つとしてあげられます。
IT導入補助金は今後も続くことが予想されるので、特に電子カルテのコストを抑えながらの導入を検討している医療機関は、ぜひ活用について検討してみてください。
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