電子カルテの導入費用の相場は?安く抑える方法についても詳しく解説します

  • 2024年4月28日
  • 2024年4月23日
  • コラム

現在、医療機関では電子カルテが広く普及しています。実際に、電子カルテを導入することで、さまざまな診療情報を一元化することが可能です。また、従来のような手書きの紙カルテとは異なり、字が読みづらいというようなトラブルがないため、処方箋や指示の読み間違いがなくなります。これにより、ミスの削減にもつなげられるでしょう。さらに、電子カルテを導入すれば、AIによる自動学習機能を利用できたり診療情報提供書などのテンプレートが用意されていたりするため、大幅な業務効率化を目指すことができます。

しかし、電子カルテの導入にはまとまった費用がかかります。そのため、「電子カルテを導入したいけど、費用がいくらかかるのか気になる」、「お金の負担をできるだけ最小限にして電子カルテを導入したい」と思われる方もいるのではないでしょうか?

そこで、今回は電子カルテの導入費用の相場や安く抑える方法について詳しく解説しますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。


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電子カルテの費用を決める要素

電子カルテの費用に大きな影響を与える要素は大まかにわけて5つあります。電子カルテの相場を知る前に、費用を決める要素を把握すれば具体的にどのようなところにお金がかかるのかを理解することができるので、ぜひ参考にしてください。

システム形態

現在、医療機関に普及している電子カルテの種類は、オンプレミス型とクラウド型にわけることができます。オンプレミス型は、院内にサーバー等を設定して運用する電子カルテのことです。一方、クラウド型はサービス提供側が構築したサーバーを利用して電子カルテを運用するシステム形態を意味します。

オンプレミス型は、サーバーを院内に導入するため、オフライン環境で電子カルテを運用することができます。しかし、自社サーバーを運用するということになるため、ハードウェアを院内へ導入する必要があったり、自身で保守に対応しなければならなかったりします。そのため、一般的にオンプレミス型のほうがコストは高くなりやすいです。一般的なオンプレミス型の初期コストは300~500万円程度、保守費用は月額2万円~3万円程度となります。

クラウド型は、院内にサーバーを設置する必要がないため、初期費用を大幅に抑えられるという点がメリットです。しかし、オンライン環境が必須であり、セキュリティのリスクがオンプレミス型に比べて高くなりやすいです。クラウド型はサブスクリプションとして提供されるケースが多いため、ランニングコストが発生します。クラウド型の月額料金の相場は、2万円~4万円程度です。

レセコン一体型かどうか

レセコンは、診療報酬明細書を作成するシステムのことで、約96%の医療機関で使われています。

レセコン一体型の電子カルテの場合、レセコンと電子カルテを別々でシステム購入する必要がありません。また、保守や更新がひとつのサービス提供者で済ませられます。しかし、レセコン一体型は電子カルテとレセコンという2種類のシステムを同時に購入することになるため、導入費用は高くなりやすいです。

サポートサービスの有無

サポートサービスの有無によっても電子カルテにかかる総コストは変化します。

サービスサポートは別料金で提供している業者もあります。そのため、サービスサポートを利用する場合、導入にかかるコストが高くなりやすいです。しかし、利用すれば操作方法や研修などのサポートを受けられるため、スムーズに運用ができるといったメリットがあります。

システム設定依頼の有無

電子カルテを導入するとき、自身でシステム設定を行う必要があります。しかし、開業をする際は準備で非常に忙しいので、そこまで手が回らないというケースも珍しくありません。その場合、電子カルテの提供元にシステム設定を依頼することも可能です。

オンプレミス型の電子カルテにおいては、初期費用にシステム設定依頼の費用が含まれることがあります。一方、クラウド型に関しては、別途費用がかかるため、初期費用が高くなりやすいです。

ライセンス数

電子カルテのコストは、ライセンス数で変化します。基本的にライセンス数が多ければ多いほど、初期費用やランニングコストが高くなりやすいです。

システムのカスタマイズ

クラウド型の電子カルテはパッケージとして提供されるため、カスタマイズが難しいです。

一方、オンプレミス型は自院に欲しい機能があれば、依頼して独自の機能を追加してもらうことができます。しかし、カスタマイズには追加で費用がかかるだけでなく、実装期間等も必要になるため、導入までの時間が長くなる可能性もあるでしょう。

電子カルテの導入費用の相場

次に、電子カルテの導入費用の相場について詳しく解説します。相場を知ることで、予算のイメージがつきやすくなるので、ぜひ参考にしてください。

導入費用

電子カルテの導入費用の相場は、約300万円です。もちろん、この数字はあくまでも目安になります。例えば、レセコン一体型の電子カルテは、450万円以上かかるケースが多いです。また、クラウド型よりもオンプレミス型のほうが費用は高くなるため、その点は注意するようにしましょう。

このように、電子カルテの導入費用は比較的高いですが、IT導入補助金や院診療情報デジタル推進事業補助金などの補助金を活用することでコストを抑えることができます。詳細については電子カルテを安く導入する方法の見出しで解説しますので、相場を知って導入を断念するのではなく、補助金を活用したらどのぐらい安くなるのかを知った上で判断するようにしましょう。

保守費用

電子カルテの保守費用は、月額数万円程度です。しかし、保守費用はオンプレミス型の電子カルテに発生することが多く、クラウド型の場合は保守費用も込みの月額料金となります。

カスタマイズ費用

カスタマイズ費用は、電子カルテに既存の機能に加えて独自の機能を追加するためにかかるコストを意味します。基本的には、システム開発を依頼するときと同じで、大部分は人件費です。そのため、どのような人材を使用するのかで料金は大きく変化します。

例えば、上級のシステムエンジニアに依頼してカスタマイズを行う場合、1ヶ月に必要な費用はおおよそ100万円~160万円となります。逆に、オフショア開発等で外国人プログラマーなどに依頼する場合は、30万円~40万円程度と費用を抑えることが可能です。

電子カルテの導入費用を安く抑える方法

電子カルテの導入には、まとまった費用がかかります。そのため、できるだけ導入費用を抑えたいという方も多いのではないでしょうか?

ここでは、具体的に電子カルテの導入費用を抑える方法について解説しますので、負担少なく導入したいという方は、ぜひ参考にしてください。

導入目的の明確化

電子カルテの導入費用を抑えたいという方は、導入目的を明確にすることが重要です。

導入目的を明確にすることで、現在抱えている課題やそれを解決するために必要なことを可視化されます。これにより、電子カルテにはその課題を解決するためにどのような機能が必要なのかが見てくるというわけです。

機能が少ない電子カルテは、豊富な機能が搭載されているものよりも安く導入できる可能性があります。また、必要な機能を最小限に絞り込むことで、カスタマイズ費用が不要になることもあるので、結果的に費用を抑えることが可能です。

事前に総コストを計算する

電子カルテを導入する際は、総コストを計算する必要があります。

電子カルテの中には、初期費用がメインでかかるオンプレミス型とランニングコストがかかるクラウド型があります。一見、クラウド型は導入コストが高くないため、お得感がありますが、長い目で見るとオンプレミス型のほうが安くなるケースも少なくありません。そのため、クラウド型とオンプレミス型どちらの電子カルテを導入しようか迷っているという方は、5年や10年などの期間でどのぐらい費用がかかるのかそれぞれ計算して負担が少ないほうを導入するのがおすすめです。

相見積もりをする

電子カルテの製品は複数あり、それぞれで搭載されている機能や料金が異なります。

ひとつの製品のみの見積もりを依頼するのではなく、複数の候補をピックアップし、相見積もりをするのがおすすめです。相見積もりをすることで、それぞれの製品を比較することができるので、予算に合った最適な電子カルテを導入できる可能性があります。

補助金をうまく活用する

電子カルテを安く抑える方法として、補助金の活用が挙げられます。

現在、IT導入補助金病院診療情報デジタル推進事業補助金など電子カルテを導入する際に活用できる補助金が複数あります。例えば、IT導入補助金を利用して電子カルテを導入した場合、条件によっても異なりますが、50%の補助を受けることが可能です。また、病院診療情報デジタル推進事業補助金を活用した場合も電子カルテ導入にかかる半額の補助金を受け取れます。補助金は、後払いで受け取ることになりますが、かかった費用が返ってくるので、根本的に導入費用を抑えることが可能です。

まとめ

今回は、電子カルテの導入費用の相場や安く抑える方法について詳しく解説しました。電子カルテの導入にはまとまった費用がかかります。しかし、補助金などをうまく活用すれば安く導入することができるので、金銭的な負担をできる限り抑えたいという方は、補助金を利用するのがおすすめです。しかし、補助金を受け取るためには、複雑な申請手続きを行う必要があります。そのため、開業の準備で忙しくて補助金の申請まで手が回らないという方もいるのではないでしょうか?

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