医療施設等設備整備費補助金とは?概要や補助額、対象経費について紹介

  • 2024年10月22日
  • 2024年10月19日
  • コラム

近年、医療の現場ではテクノロジーの発展により、遠隔医療が注目を集めています。特に医師不足や患者の移動が難しいへき地や離島では、遠隔医療を通じて質の高い診療を提供することが重要と言われています。

このようなニーズに応えるため、厚生労働省では、医療施設に遠隔医療を導入するための支援策を数多く行っています。

その中でも、「医療施設等設備整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)」は、遠隔医療のための情報通信機器の整備に対して補助を行う制度として、多くの医療機関に活用されています。

本記事では、医療施設等設備整備費補助金への申請を検討されている医療機関向けに、概要から補助額、対象経費について紹介します。


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医療施設等整備費補助金とは

医療施設等整備費補助金

公式サイト:医療施設等整備費補助金

「医療施設等整備費補助金」とは、医師が少ない地域やへき地(山奥や離島など)にある診療所や病院の施設を整えるために、厚生労働省が支援を行っている補助金です。

医療施設等整備費補助金は、主に遠隔医療の設備整備に活用可能な補助金です。具体的には下記の補助金が用意されており、それぞれ目的等も異なるため、目的にマッチした補助金への申請がおすすめです。

【医療施設等設備整備費補助金の種類】

  • 遠隔医療設備整備事業
  • へき地・離島診療支援システム設備整備事業
  • ICTを活用した産科医師不足地域に対する妊産婦モニタリング支援事業
  • 医師が不足する地域における若手医師等のキャリア形成支援設備整備事業
  • 遠隔ICU体制整備促進事業

上記の補助金の中でも、「遠隔医療設備整備事業」以外は、地域や事業に一定の成約がかかる場合があります。そのため、申請を検討されている医療機関は、あらかじめ対象かどうかを確認しておくことをおすすめします。

下記の見出しでは、医療施設等設備整備費補助金の中でも活用されるケースが多い遠隔医療設備整備事業について紹介するので参考にしてください。

医療施設等整備費補助金の遠隔医療設備整備事業とは?

医療施設等整備費補助金の遠隔医療設備整備事業

医療施設等整備費補助金の遠隔医療設備整備事業とは、情報通信技術を活用し、医療の地域格差をなくして質の高い医療を提供するために設けられた補助制度のことです。

特に、医師が少ないへき地や離島など、医療施設が限られている地域での活用を目的としています。

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)によって遠隔地での診療が可能になると、病理画像やX線画像、動画などを遠隔地の医療機関に送り、専門医の診断や助言を受けることが可能です。これにより、患者さんが遠方の病院や、設備が整う大きな病院へと足を運ばなくても質の高い医療が受けられるようになります。

また、遠隔地にいる医師と患者さんの間で、インターネットを活用して診療を行うこともサポートしているので、患者さんは自宅にいながらでも医療を受けられるといったメリットがあります。

遠隔地での診療は、患者さんのみならず医師の移動負担の軽減にもつながるなど幅広いメリットがありますが、コストがかかる点が問題です。しかし、医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)を活用すれば、コストの負担を抑えながら環境を整備できるので、大きな負担軽減につながるでしょ。う

補助金の対象者

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)の対象者は、遠隔医療を実施するために必要な設備を整える医療機関や関係機関です。具体的には下記に当てはまるケースが対象となるので、参考にしてください。

  • 都道府県や市町村

日本全国の各都道府県や市町村が、この補助金を利用して遠隔医療を導入するための設備を整えることが可能です。

  • 公立病院・診療所

公立の病院や診療所が、遠隔医療のために必要なコンピュータ機器や通信機器を導入する場合は対象となり、申請することができます。

  • 私立医療機関(厚生労働大臣が認める者)

都道府県や市町村が運営する公立病院だけでなく、厚生労働大臣が認める私立の医療機関も補助金の対象です。具体的には、遠隔医療の必要性や地域の医療ニーズに応じて、適切と判断された医療機関がこの補助金を利用できます。

  • へき医療を行う医療機関

医師が不足している「へき地」(山間部や離島など)で医療を提供する診療所や病院も対象です。

  • 医療の連携や診療体制を強化するための機関

地域医療連携を強化し、遠隔診療を行うための機関やネットワークを整える場合も、補助金の対象です。これには、複数の医療機関が協力して行う遠隔医療プロジェクトや、診療所間の通信インフラを整備するための機関も含まれます。

上記で説明した内容が補助金の対象となりますが、注意点としては自由診療を行う医療機関は対象外となる点です。補助金が適用されるのは、保険診療を目的とした遠隔医療に限られているため、地涌診療目的の機器整備は対象にはならないので注意しましょう。

補助対象経費

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)で対象になる経費は、遠隔医療を実施するために必要な機器やシステムの整備となります。具体的には下記のような設備やソフトウェア等が対象となるので、参考にしてください。

  • コンピュータ機器

診断やデータ処理用のパソコンやサーバーなど、遠隔地にある医師が患者さんのデータや画像を確認したり、診断を行ったりするために必要なコンピュータ機器が対象です。

  • 通信機器

インターネットを使って医療機関同士をつなぐ通信機器や、高速で大容量のデータをやり取りするためのルーター、モデム、ネットワーク機器が対象です。これらの設備を整えることで、病理画像やX線画像、動画などのデータを迅速かつ正確に遠隔の医師や専門家に送ることができるようになります。

  • 遠隔診療用ソフトウェア

遠隔地での診断や助言、オンライン診療に必要な医療専用ソフトウェアも対象に含まれます。例えば、X線画像やCTスキャンのデータを解析するためのソフトや、医師と患者をオンラインでつなぐビデオ通話システムなどが含まれます。

  • 遠隔病理診断・遠隔画像診断

病理診断やX線画像の遠隔診断では、デジタルデータに変換した検査結果や画像を、インターネットを通じて他の医療機関や専門医に送信します。その際に使用するシステムや機器は補助対象となります。

  • オンライン診療

患者さんと医師が対面せず診療を行うオンライン診療に必要となる設備も補助対象です。しかし、オンライン診療は保険診療を目的としているため、自由診療は対象外となります。

補助額と補助率

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)の補助額は、各医療施設が整備する設備や機器に応じて決められます。補助額の計算では、国が定めた基準額と、実際にかかった費用を比べ、より少ない金額が選ばれます。また、事業にかかる総費用から寄付金やその他の収入がある場合は、それを差し引いた金額となります。

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)では、具体的な補助額が事業の内容や地域によっても異なり、申請内容に応じて柔軟に決定される流れとなるため、詳しくは下記公式サイトよりご確認ください。

公式サイト:厚生労働省

今後は遠隔医療が必要不可欠になる!?導入メリットについて

導入メリット

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)では、遠隔医療を実施するために必要な機器やシステムの整備にかかる費用の一部を支援してもらうことができ、コストの負担を抑えたうえで遠隔医療を実施できるようになります。

実際に遠隔医療の実施を検討されている医療機関も多いかと思いますが、具体的なメリットについて下記では紹介しているので参考にしてください。

患者さんの移動時間と負担の軽減につながる

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)を活用して遠隔医療を実施することで、患者さんの移動時間と負担の軽減につながります。

特に高齢者や重症患者、交通手段が限られている地域に住む人たちの長時間の移動や待ち時間が不要になるので、通院時に感じやすいストレスを軽減できます。

また、場所を問わず診療が可能になるので、体調が悪くて動けない場合や、通院の時間がない人でも受信しやすいメリットがあります。

感染症予防にもつながる

病院は医療機関であるため、感染症を抱えた患者さんが通院するケースがあります。このような場合、どうしても感染リスクは避けることができません。

しかし、遠隔医療を実現できれば、通院の必要がなく、患者さんとの接触もなくすことができるため、患者さんだけではなく医師の感染症の予防にもつなげられます。

実際に新型コロナウイルスでは感染拡大のリスクが問題となっていましたが、遠隔医療が導入されれば、次に来る感染症にも対応しやすくなるので、大きなメリット言えるでしょう。

補助金の申請は簡単ではない?

医療施設等整備費補助金

医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)を活用することで遠隔医療に関係する設備等の整備が可能となりますが、補助金の申請は複雑すぎてよくわからないと感じている方も多いのではないでしょうか。

特に今まで申請したことがない方にとっては、難易度が高いと言えるでしょう。

しかし、補助金申請のサポートを実施している専門家へ依頼することで、申請にかかる面倒な手続きや、必要な書類等もすべてサポートしてもらえます。

また、補助金の知識がない方が申請をするよりも、採択率も高くなる傾向があるので、できる限り手間を省き、採択率もアップさせたいと感じているなら、専門家への相談がおすすめです。

まとめ

今回は、医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)の概要から、対象者、対象経費などを詳しく紹介しました。

遠隔医療を実現するための設備の導入には、それなりにコストがかかってしまうので、できる限りコストを抑えながら導入したいと思われている方は、医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)の活用を検討してください。


メディカルツールナビでは、医療施設等整備費補助金(遠隔医療設備整備事業)やIT導入補助金など、補助金を活用した設備導入の支援を行っておりますので、初めての申請で何から始めたらいいかわからないという方は、お気軽にご相談ください。

メディカルツールナビでは、補助金を活用した電子カルテシステムの導入支援を実施しています。電子カルテシステムの選定だけではなく、補助金の申請サポートも同時に行っておりますので、補助金の活用を検討している医療機関は、お気軽にご相談ください。

また、初回相談は無料となっています。「補助金の対象になるの?」「どのツールが合ってるの?」など、電子カルテや補助金に関するお悩みやご相談のある方はお気軽にお問い合わせください。