DXという言葉は、私たちの生活に浸透し、多くの企業や団体が取り組むようになりました。DXを推進することで、企業などは市場の中で競争力を高めることができたり、業務効率化を目指せたりするので、喫緊の課題として取り組まれるところも少なくありません。
そして近年、医療業界でもDXが非常に加速しています。それは医療機関だけでなく、薬局においても例外ではなく、実際に取り組むことで薬剤師の業務効率化や医療サービスの向上にもつなげられるとして非常に注目を集めている取り組みです。薬局DXは、単に紙の処方箋などを電子化するだけでなく、在庫管理や患者情報の管理、オンライオン診療との連携などが行われています。実際に取り組む薬局とそうでない薬局では、業務内容や提供できるサービスに大きな差が生まれるため、DXを推進するほうが薬局にメリットがあります。
薬局DXを推進するためには、どのようなツールを導入すればいいのでしょうか?また、安く導入する方法などを探しているという方も少なくないでしょう。
そこで、今回は薬局DXの概要や推進のために導入されているツール、安くツールを導入する方法などについて解説しますので、興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
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薬局DXとは?
薬局DXとは、ITツールなどのデジタル技術を用いて薬局の業務フロー改善や新たなビジネスモデルの創出、レガシーシステムからの脱却や局内の風土変革を実現させるための取り組みのことです。単に、ITツールを導入すれば薬局DXの推進を果たせるというわけではなく、組織やビジネスの仕組みそのものに変革を起こす必要があります。そのため、既存のプロセスの状態を維持し、ITツールを導入して生産性を向上するIT化とは異なるため、その点には注意する必要があるでしょう。また、IT化はDXの推進の手段のひとつに含まれるため、お互いが相反するものではありません。
そもそもDXとは?
そもそもDXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称で、デジタル変革を意味します。上記でも紹介したように、DXはデジタル技術によって業務フローを改善したり、新たなビジネスモデルを創出したりすることやレガシーシステムからの脱却、企業風土の変化を起こすことです。わかりやすくいえば、デジタル技術を活用して自社の仕組みやサービスを変えていき、生活をより良いものへと変革していくことを意味します。
現在では、インターネットやスマートフォンが広く普及し、消費者の行動もデジタル化が進んでいます。また、AIやIoTなど新しいテクノロジーの実用性の向上により、ビジネスにも取り入れやすくなっています。そのため、企業などがDXを推進すれば、サービスの変革を図ることが可能です。
もし、企業がDX推進に取り組まない場合、市場での競争力が維持できなくなります。また、市場の変化に対応できないため、ビジネス上の重要な機会を失うことになりかねません。そのため、このようなリスクを排除するために、企業はDXを推進し、市場の中で競争力を維持していけるように取り組んでいるといえるでしょう。
厚生労働省が推進する薬局DXとは?
薬局DXの推進は厚生労働省でも行われています。厚生労働省が薬局DXを推進している目的は、処方箋の調剤の効率化や対人業務の充実化などです。現在、多くの薬局では処方箋の確認や調剤、監査、服薬指導に多くの時間を割いており、その課題を解決するために薬局DXが推進されています。
また、厚生労働省では薬局DXを推進するために、下記のようなデジタル技術の活用を促しています。
・重複投薬や併用禁忌の自動チェック
・ICTを活用した服薬指導
・データのクラウド管理
・電子処方箋の活用
実際に、重複投薬や併用禁忌を自動チェックすることで、薬剤師が行われなければならない業務の手間を省くことができます。これにより、薬剤師はほかの業務に時間を割り当てることができるようになるため、業務効率化を期待することが可能です。
また、ICTを活用した服薬指導を実施することで、服薬指導が効率化されます。近年、多くの薬局で導入されているオンライン服薬指導もICTを活用して実現しているサービスです。
データクラウドを活用することで、薬歴の閲覧や記入をインターネットが使える場所ならどこでも行うことができるようになります。また、電子処方箋を活用することで、医療機関へのフィードバッグの効率化を実現することが可能です。
薬局DXの3つの必要性について
薬局DXの必要性は、大まかにわけて3つあります。それぞれの必要性について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
電子薬歴システムについて、以下のサイトでも紹介しているのでよろしければお読みください。
将来的な薬剤師不足の課題を解決するため
将来的な薬剤師不足の課題を解決するために、薬局DXの取り組みを実施しているところが多いです。
薬剤師の総数は、2018年が311,289人、2020年は321,982人となっています。この数字だけを見ると増加しているため、人手不足の懸念がないように思えますが、現在の日本は高齢化が進んでいるため、さらに薬剤師の需要が高まっています。そのため、需要に対して薬剤師の人材は不十分なのです。総務省統計局の調査によれば、65歳以上の高齢者が人口全体を占める割合は2021年時点で29.1%、2040年には35.6%になるとされています。今後、高齢者は増加する傾向にあり、薬剤師の需要も高まるため、薬局はDXを推進して少ない人材でも多くの業務をこなせられる環境を構築する必要があるでしょう。
薬剤の売上減少が懸念されているため
薬剤の売上減少が懸念されているため、薬局DXの推進が求められています。
薬価差益が少なくなったことで、薬剤で利益を得ることが難しくなっています。薬の中には調剤しても利益にならないものもあるため、売上が下がってしまうところも少なくありません。当然、利益が減ると経営のためにどこかを削らなければならないため、その対象となるのが人件費です。
薬局DXを推進することで、業務効率化を期待できます。これにより、少ない人材で対応できるようになるため、人件費を削減することが可能です。
厚生労働省がかかりつけ薬局や薬剤師の推進を実施しているため
厚生労働省はかかりつけ薬局や薬剤師を推進しています。かかりつけ薬剤師は24時間患者さんの対応をしなければならないため、人材確保が必要です。
人材確保を行うためには、業務を効率化して薬剤師にかかる負担を減らす必要があります。薬局DXを推進すれば、業務効率化によって薬剤師の負担を減らすことができるため、薬局DXが推進される理由のひとつです。
薬局DX推進のためのどのようなツールが導入されているのか?
薬局DXを推進するために、薬局では実際にどのようなツールが導入されているのでしょうか?ここでは、具体的に薬局DXを推進するためのツールをいくつかご紹介しますので、興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
ヘルスケア手帳
公式サイトはこちら:https://www.phchd.com/jp/medicom/healthcarenote
ヘルスケア手帳は、スマホで薬のデータを管理することができるツールです。患者さんは、アプリで処方箋を応需することで、店舗で待たずに薬を受け取ることができます。これにより、サービス向上などを期待することが可能です。また、メッセージ機能があるため、患者さんの服用状況や相談を遠隔で行うこともできます。
PharnesX-MX
公式サイトはこちら:https://bijicom.co.jp/pharnesv-mx
PharnesX-MXは、保険薬局用の電子薬歴システムです。医療ITをワンストップで提供する中央ビジコム株式会社によって提供されています。
PharnesX-MXを導入することで、薬歴表紙・監査情報・過去薬歴などの情報を一度で表示させることができます。これにより、画面を移動することなく必要な情報を確認することができるので、処方監査や薬歴作成をスムーズに行うことが可能です。そのほかにも患者さんの来局を予測する機能や薬局外でも薬歴などを参照することができるリモート薬歴オプションも利用できます。
DrugstarLead
公式サイトはこちら:https://www.phchd.com/jp/medicom/pharmacies/lead
DrugstarLeadは、処方変更時の問題を解決するために開発された対面型薬剤情報システムです。実際に、薬局では「パソコンが近くにないので薬歴をすぐに確認できない」、「患者さんが書いたアンケートをパソコンに入力するのが大変」というような課題を抱えていますが、DrugstarLeadを導入することで、それを解決することができます。
DrugstarLeadを導入することで、データをクラウドで管理できるようになるため、外出先でも薬歴等を確認することが可能です。また、患者さんがタブレットで入力した情報を薬歴にそのまま自動転送できるなど、さまざまなメリットを獲得できます。
薬局DX推進のためのツールを安く導入したいならIT導入補助金がおすすめ
薬局DXを推進するためには、ITツールを導入することが必要不可欠です。しかし、ITツールの導入には費用がかかるので、それが負担になっている薬局も多いのではないでしょうか?そのような課題を抱えている方は、IT導入補助金を利用するのがおすすめです。
IT導入補助金を活用すれば、ITツール導入にかかる費用に対して最大1/2の補助を受けることができます。実際に活用すれば、予算を大幅に削減することができるので、安くITツールを導入したいという方は、IT導入補助金を利用するようにしましょう。
まとめ
今回は、薬局DXの概要や推進するために活用されているITツールなどを紹介しました。薬局DXを推進するためには、ITツールの導入は必要不可欠になります。当然、ITツールの導入には費用がかかるので、できるだけコストを抑えたいという方は、IT導入補助金を利用するのがおすすめです。しかし、IT導入補助金を活用するために申請が採択される必要があります。そのため、採択されるか心配な方や手続きの方法が複雑でわからないという人も少なくないでしょう。
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