介護施設で使える介護ロボット導入支援事業とは?概要から補助額・対象経費まで紹介

  • 2024年8月30日
  • 2024年8月16日
  • コラム

少子高齢化が進む日本において、介護現場での人手不足が深刻な課題となっています。このような課題を解消し、現場で働くスタッフの負担を軽減するためには、最新技術を活用した「介護ロボット」の導入が必要とされています。

実際に導入する介護施設も増えつつありますが、さらなる課題としてあげられているのが導入コストです。コスト面での負担が大きくなることから、導入を躊躇する介護施設も少なくありません。

できる限りコストを抑えたいと考えている施設も多いかと思いますが、その悩みを解消できるのが補助金の活用です。

本記事では、介護ロボットの導入に活用できる「介護ロボット導入支援事業」について紹介します。概要から補助額、対象経費についても詳しく紹介するので、介護ロボットの導入を検討されている施設は、ぜひ参考にしてください。


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介護ロボットとは

介護ロボット

そもそも介護ロボットとは、「情報を感知(センサー系)」「判断(知能・制御系)」「動作(駆動系)」の3つの要素技術を持つ、知能化した機械システムのことを言います。

介護ロボットは、ロボット技術が応用され、利用者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護機器を介護ロボットと呼んでいます。

下記では、実際に介護施設で使用されている介護ロボットの例をあげています。下記のリストに記載されている介護ロボットを活用することで、大幅にスタッフの負担が軽減されるので、導入には多くのメリットが受けられます。

【介護ロボットの例】

  • 移乗支援(例:装着型パワーアシスト)
  • 移動支援(例:歩行アシストカート)
  • 排泄支援(例:自動排泄処理装置)
  • 認知症の方の見守り(例:見守りセンサー)

上記が介護施設で実際に利用されている介護ロボットの例となります。これらの導入をすることで大幅に介護の負担を軽減できますが、導入にはコストが大きな負担となるため、できる限り補助金の活用をすることをおすすめします。

介護ロボット導入支援事業とは

介護ロボット導入支援事業

厚生労働省:介護ロボット導入支援事業

厚生労働省が所管する「介護ロボット導入支援事業」とは、介護現場における人手不足や高齢化に伴う負担を軽減するために、介護施設や在宅介護において介護ロボットの導入を支援するための取り組みです。

令和6年度からは「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」の統合・支援メニューの再構築がされているため、介護ロボットのみならずICTを介護で活用する際にも補助金が受け取れます。

介護ロボット導入支援事業を活用することで、コストの負担が大きくなる介護ロボットの導入にかかるコストの一部を負担してくれるため、コストを抑えた導入が可能になります。特に介護ロボットの導入を目指しているけど、コストが課題となっている施設にとっては、ぜひ活用したいおすすめの補助金となっています。

下記では介護ロボット導入支援事業に関して、補助額や対象経費など詳しく紹介するので、申請を検討されている施設は参考にしてください。

介護ロボット導入支援事業の対象者

介護ロボット導入支援事業は、主に介護施設が対象となる補助金であり、下記に該当するサービスであれば申請をすることができます。

【施設・住居系サービス】

  • 介護老人福祉施設(地域密着型を含む)
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 特定施設入居者生活介護(地域密着型を含む)
  • 認知症対応型共同生活介護

【在宅系サービス】

  • 通所介護(地域密着型を含む)
  • 通所リハビリテーション
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護
  • 認知症対応型通所介護

介護ロボット導入支援事業の補助対象経費

介護ロボット導入支援事業の補助対象経費は、移乗支援、移動支援、排泄支援、見守り、入浴支援など、厚生労働省・経済産業省で定める「ロボット技術の介護利用における重点分野」に該当する介護ロボットが対象です。

そもそも「ロボット技術の介護利用における重点分野」に該当する介護ロボットとは、下記に該当するものとなりますので、詳しくはリストをご確認ください。

【ロボット技術の介護利用における重点分野に該当する介護ロボット】

  • 移乗支援ロボット(高齢者がベッドや車椅子からの移動を補助するロボット)
  • 移動支援ロボット(自力での移動が難しい高齢者の歩行や車椅子移動をサポートするロボット)
  • 排泄支援ロボット(排泄のタイミングを検知したり、トイレまでの移動を補助したりするロボット)
  • 見守り・コミュニケーションロボット(高齢者の生活環境をモニタリングし、徘徊や転倒を防ぐためのセンサーを備えたロボット)
  • 入浴支援ロボット(入浴時の高齢者の移動や洗体をサポートするロボット)
  • リハビリテーション支援ロボット(身体機能の回復や維持を目的としたリハビリをサポートするロボット)

介護ロボット導入支援事業の補助額・補助率

介護ロボットの補助額は、どのようなロボットを導入するかによっても異なります。介護ロボットといっても幅広い種類がありますが、その中でも上限が100万円まで補助されるのが「移乗支援」と「入浴支援」です。上記以外は上限が30万円に設定されています。

補助額と補助率についての詳しい内容は、下記の表にもまとめているのでそちらも参考にしてください。

区分(介護ロボット)補助額補助率補助台数
移乗支援上限100万円3/4(一定の要件を満たす場合は3/4それ以外は1/2)必要台数
入浴支援上限30万円
上記以外

介護業界に介護ロボットは必須!導入のメリットについて

介護ロボット メリット

ここまで介護ロボットの内容や導入に活用できる補助金について紹介しました。介護ロボットは必要性の高いものとして認識され始めており、多くの介護施設で導入が検討されています。

今後は高齢者がさらに増えることが予想されているため、介護施設における介護ロボットの導入は必須と言えます。導入について悩んでいる施設向けに、具体的に介護ロボットのメリットはどういった点があげられるのかについて紹介します。

スタッフの負担軽減につながる

介護は、マンパワーが必要になる職業の一つであり、身体的にも精神的にも負担が大きくなります。しかし、介護ロボットを導入すれば、スタッフの負担は大幅に軽減することが可能です。

例えば、移乗作業では、高齢者をベッドから車椅子へと移動させたり、車椅子からトイレに移動させたりする際にスタッフが補助を行わなければなりません。移乗作業は、介護スタッフにとって身体的に負担の大きい作業になり、最悪の場合は腰痛などの職業病の原因にもなってしまいます。

しかし、移乗支援ロボットなどを活用すれば、ロボットが補助してくれるため、通常よりも大幅に腰や肩への負担がなくなります。スタッフの健康維持にもつながるため、今後は欠かすことができない介護ロボットと言えるでしょう。

介護の質の向上につながる

介護ロボットは、正確かつ安定した補助を可能にするため、介護の質が向上するメリットがあります。

例えば移乗支援ロボットは安全でスムーズな移動を実現できるようになりますし、入浴支援ロボットは、安全性を高めながら快適な入浴をサポートできます。

介護スタッフにとっても人によってサービスの内容が変わることもなくなり、安定的な介護を実現できるようになりますし、利用者にとっても安心で快適な介護を受けられるため、介護ロボットの導入は大きなメリットと言えるでしょう。

業務効率化につながる

介護ロボットの導入は、介護現場での業務効率化につながります。これまで多くの時間を要していた作業が短縮されることで、他の業務に充てる時間が確保されます。残業をしなくても業務時間内に作業を完了させられるため、全体的な効率が向上するメリットがあります。

特に介護業界の課題としては、人手不足が深刻化していることがあげられます。介護ロボットの導入によって効率的に業務を進めることができるようになれば、生産性の向上も期待されます。

また、介護ロボットの導入によって「介護は仕事が大変そう」といったネガティブなイメージも払拭される可能性もあるため、人材確保にもつながるなど幅広いメリットがあります。

補助金の申請をスムーズに行うためには?

補助金申請

補助金を活用すれば、介護ロボットの導入にかかる費用の一部を支援してくれるため、コストの負担を抑えながら導入できるメリットがあります。しかし、デメリットとしては申請の複雑さがあげられ、これまで補助金を利用したことがない施設にとっては難易度が高く感じるでしょう。

できる限り補助金の申請をスムーズに行うためには、補助金のことを知り尽くした専門家への依頼がおすすめです。

専門家へ依頼することで、補助金の申請にかかる手続きのサポートはもちろん、事業計画の策定支援・採択後の必要書類など幅広く支援してくれます。

また、補助金は必ずしも受け取れるとは限らず、採択される必要があります。書類の不備や事業計画書の書き方によっては不採択となる可能性も高くなりますが、択率の高い専門家への依頼をすることで、スムーズに採択まで導いてくれることもあります。

これらのことから、補助金を利用する際には、専門家への依頼を検討する方が多くのメリットがあることがわかります。特に「初めての申請で自信がない」「手間がかかるから専門家に任せたい」と考えている方は、専門家への依頼を検討してください。

まとめ

今回は、介護施設が活用できる介護ロボット導入支援事業について紹介しました。この補助金を活用することで、これまで以上に介護の負担を減らすことができるようになり、業務効率化にもつながるのでおすすめです。特に介護施設にとっては費用の負担を減らして介護ロボットを導入できるチャンスにもなるので、業務の改善を目指している場合には、ぜひ介護ロボット導入支援事業の活用を検討してください。


メディカルツールナビでは、それぞれの介護施設に適した介護ロボットの提案から、補助金申請のサポートまでトータルで実施しています。補助金の内容がよくわからない、申請が複雑すぎるといった悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

また、初回相談は無料となっています。「補助金の対象になるの?」「どのツールが合ってるの?」など、電子カルテや補助金に関するお悩みやご相談のある方はお気軽にお問い合わせください。