オンプレミス型電子カルテとは?メリットやデメリットを徹底解説!

  • 2023年10月27日
  • 2024年3月5日
  • コラム

電子カルテは大きく分けると2種類あり、クラウド型とオンプレミス型の中から選ぶことができます。

いざ導入しようとすると、「どちらの方が自院には合っているの?」と悩むケースも多いでしょう。

どちらにもメリットやデメリットがあるため、比較しながら選ぶことで後悔することを防げます

今回は、2種類ある電子カルテの中でもオンプレミス型について解説します。オンプレミス型の概要や、クラウド型との違い、メリットやデメリットについて知りたい方は参考にしていただければ幸いです。


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オンプレミス型電子カルテとは?

オンプレミス型電子カルテとは

オンプレミス型電子カルテとは、自院にサーバー等の専用設備を設置し、ローカルネットワークに接続する電子カルテのことです。

初期費用が高い点などが特徴としてあげられますが、セキュリティの高さやカスタマイズ性の高さなどが魅力であるため、オンプレミス型を選ぶ医療機関も少なくありません。

実際、厚生労働省も電子カルテの標準化を進めています。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/000685281.pdf

クラウド型電子カルテとの違い

クラウド型電子カルテとは、外部のサーバーにデータをアップロードする仕組みであるため、サーバーやシステム更新等を自分で行う必要がないタイプの電子カルテです。

費用面で見るとオンプレミス型と比べて低く抑えられますが、自由度は低いといったデメリットもあります。

クラウド型電子カルテに関して詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。

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クラウド型電子カルテのメリット・デメリットについて

オンプレミス型電子カルテのメリット

オンプレミス 電子カルテ メリット

オンプレミス型電子カルテには、どのようなメリットがあるのでしょうか。導入を検討されている方向けに、ここではオンプレミス型の優れた点について紹介します。

カスタマイズがしやすい

オンプレミス型電子カルテのメリットとして挙げられるのが、カスタマイズがしやすいことです。

簡単に言えばオーダーメイドに対応しているとも言え、どの機能を搭載するのか、デザイン性はどうしたいのかなどを自由に決められるのが魅力の一つです。

基本的にクラウド型であればあらかじめ用意されているサービスを利用することになるため「この機能は使いやすいけど、この機能は正直必要ない」と思うことも少なくありません。

オンプレミス型電子カルテではすべての機能を好みで合わせることが可能なので、他にはない自院だけの電子カルテを作り上げることができるでしょう。

特にカスタマイズ性を重視し、オーダーメイドの電子カルテを作成したいといった要望があるなら、オンプレミス型電子カルテがおすすめです。

セキュリティが万全になる

オンプレミス型電子カルテは、セキュリティ対策が万全になるといったメリットがあります。

その理由として、電子カルテはオープンなネットワークに流すことはなく、自院だけのローカルネットワークにのみ接続するからです。

外部からの侵入を防ぐことができ、ウイルス感染や情報漏洩がしにくいのも魅力の一つとしてあげられます。

クラウド型はオープンなネットワークを活用することになるため、サービス提供元のセキュリティが甘ければ最悪の場合、情報漏洩などのリスクもあります。また、悪質なハッキング等があれば、情報を抜き取られてしまうリスクもあるのです。

医療機関はさまざまな個人情報を取り扱う大切な場所なので、セキュリティ対策を強固なものにしたいと考えている医療機関は、オンプレミス型を検討してみてください。

スピードが速い

電子カルテにおいては、例えば過去のカルテを呼び出したり、薬剤リストを検索したり、次に診察する患者さんのカルテを表示させたり等の画面切り替えにおいて、オンプレミス型は早いのが特徴です。

その理由としては、インターネットを経由してデータを表示させる必要がないからです。クラウド型はあくまでもインターネットのブラウザ上で動いているものなので、ブラウザで実現可能な速さしか実現できません。

オンプレミス型は切り替えも早く、瞬時に閲覧したい情報をチェックできます。特に一日何人もの患者さんを診察するような場面ではスピードが速い方がスムーズなので、操作性を重視しているならオンプレミス型電子カルテがおすすめです。

サポートが万全

クラウド型に関しても、サポートが万全なサービスは幅広くあります。しかし、中にはチャットだけのサポートや電話対応のみなど、トラブル発生時には自分で操作をして解決しなければなりません。特にPC操作が不慣れな場合は、不安に思う方も少なくないでしょう。

しかし、オンプレミス型の場合は、基本的に何かトラブルが発生した場合には担当者がすぐに来てくれてスピード解決できます。

自分自身で解決できる方にとってはクラウド型でも問題ありませんが、万が一トラブルが発生した場合に対処できるか不安に思われている方は、サポート万全のオンプレミス型電子カルテがおすすめです。

オンプレミス型電子カルテのデメリット

オンプレミス 電子カルテ デメリット

オンプレミス型電子カルテには自由度が高く、高性能など幅広いメリットがありますが、その反面デメリットとなる点もいくつかあります。

導入して後悔しないためにも、注意したい部分についても把握しておきましょう。

初期費用や維持費が高くなることがある

オンプレミス型電子カルテは、性能や自由度が高い反面、自院にサーバーを用意したり、そのほかにも機器やソフトウェア等を購入したりする必要があります。

クラウド型はこれらの設備を用意する必要がなく、基本的には利用料のみとなるため、それらと比べると初期費用や維持費は高くなることが予想されます。

また、場合によっては保守費用などもかかる傾向にあるため、定期的にコストが発生することも考えられます。

そのため、費用は気にせず性能や自由度を重視したいならオンプレミス型を、コストを抑えたいならクラウド型を検討すると後悔なく電子カルテを選ぶことができます。

電子カルテ導入までに時間がかかる

オンプレミス型電子カルテは、建築と同じようにゼロの状態から構築しなければなりません。

クラウド型のように必要な費用を支払って、すぐに利用開始というわけにはいかないため、導入までには時間がかかることがデメリットとしてあげられます。

オンプレミス型は機器の調達からスタートすることとなりますので、長い場合は数カ月以上かかります。こだわる場合にはそれ以上の期間がかかるケースもあるため、すぐに電子カルテを導入したい要望には応えられないのが現状です。

導入までのスピードを重視したいと考えている方にとっては、オンプレミス型よりクラウド型電子カルテの方が早く利用開始できるのでおすすめです。

ITに関する専門スキルのある人材も必要

オンプレミス型は、サポート体制もしっかりとしているため、基本的にはトラブルが発生したときの対応をしてくれます。

しかし、大きなトラブルでない限り、基本的には自院で問題を解決しなければなりません。

医療機関は24時間365日患者さんの対応に追われることが多いため、その状況でITのスキルを身に着け、自分たちで対応していくのは現実的ではありません。

不安要素も大きくなるため、ITに関する専門スキルのある人材が必要になるなど、人件費等の負担も考えられます。


電子カルテのメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。

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電子カルテのメリットデメリット

オンプレミス型電子カルテと相性の良い医療機関は?

オンプレミス 電子カルテ 医療機関

ここまでオンプレミス型電子カルテのメリットとデメリットについて紹介しましたが、具体的にオンプレミス型電子カルテとの相性が良い医療機関はどこがあげられるのでしょうか。

下記で紹介する内容に当てはまる医療機関は導入について検討してみてください。

大規模病院

大規模な病院では、診療科や業務フローが複雑なケースが少なくありません。クラウド型で対応しているものがあれば問題ありませんが、複雑なケースではオーダーメイドでの対応が可能なオンプレミス型電子カルテがおすすめです。

オンプレミス型電子カルテなら自院に合わせた最適な電子カルテを作成できるため、使いづらいと感じることはないでしょう。

クラウド型でマッチするサービスがない場合

電子カルテを導入する際には、それぞれの医療機関でこだわりなども異なります。クラウド型はあらかじめ用意されたデザインやテンプレート等を利用するため、医療機関の中には「自院の要望に適したサービスがなかった」となるケースも出てくるでしょう。

クラウド型は少々妥協しなければならい部分もありますが、オンプレミス型ならほとんどの要望を聞いてもらえます。

こだわりのある電子カルテを作成したいと考えているなら、オンプレミス型電子カルテがおすすめでしょう。

セキュリティのことを一番に考えたい

電子カルテを導入したいけど、セキュリティが心配と思われている方も多いでしょう。セキュリティに関しては、クラウド型もオンプレミス型も比較的しっかりと対策されています。

しかし、医療データは機密性が高く、やっぱりプライバシーの保護はしっかりとしたいと考えている方も多いでしょう。

この場合、クラウド型かオンプレミス型かで悩んでいる際には、オンプレミス型がおすすめです。冒頭でもお話した通り、オンプレミス型は自院にサーバーを設置するローカルネットワークです。

外部からの侵入も防ぎやすいといった特徴があるため、セキュリティを一番に考えている医療機関は、オンプレミス型電子カルテがおすすめです。

まとめ

今回はオンプレミス型電子カルテの概要からメリット、デメリットなど幅広く紹介しました。

オンプレミス型はコストが比較的高めといった特徴があるものの、カスタマイズ性の高さや、セキュリティの万全さがメリットとしてあげられます。

電子カルテを導入する際には、クラウド型とオンプレミス型それぞれで特徴が異なるため、両者を比較しながら検討することで後悔なく選ぶことができます。

電子カルテは紙のカルテと比べて業務効率化や保管スペースの削減など、幅広いメリットがあるため、紙カルテの悩みを解決したい場合は導入について検討してみてください。


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