電子カルテの導入手順は?コストについても併せて徹底解説!

  • 2024年5月29日
  • 2024年5月28日
  • コラム

現在、医療のデジタル化の流れが進んでおり、紙カルテから電子カルテへと移行する病院が増えています。電子カルテには幅広いメリットがあり、特にその中でも業務の効率化につながることから、多忙な医師や医療機関スタッフたちにとって役立つツールとなっています。

医師の中にはこれから開業を検討されている方や、紙カルテからの移行をしたいと思われている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、電子カルテの導入準備から発生するコスト、導入手順について具体的に紹介します。


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電子カルテの必要性

電子カルテの必要性

医療機関において電子カルテの導入は多くのメリットをもたらし、その必要性が高まっています。電子カルテにおいては、特に下記2つの必要性があるので、導入を迷っている医療機関は参考にしてください。

患者情報の一元管理

電子カルテは、患者情報の一元管理ができることから必要性が高まっています。具体的に電子カルテを活用すると、患者さんの診療記録や検査結果、飲んでいる薬、アレルギー情報などを一つにまとめられます。例えば前回の診療で何があったか、どんな薬を飲んでいるのかなど瞬時に把握できるため、質の高い医療を提供できます。

また、一元管理によって情報共有もスムーズです。例えば内科と外科の医師が同じ患者さんを診るとき、情報をデータとして見られるのでスムーズな治療が可能です。その他にも、他の病院での履歴も簡単に見られるため、連携した診療も進めやすくなるのです。

一元管理は紙カルテではできないメリットとなるため、電子カルテは医療機関において必要不可欠となっています。

コスト削減

コストの削減につながる点も、電子カルテが必要と言われる理由の一つです。電子カルテを活用することで、紙を使用することがなくなるため、大量の紙やインクを購入する必要がなくなり、その分費用を節約できます。

また、収納スペースも電子カルテであれば必要ありません。特に外部保管にてスペースを借りている場合などは毎月の費用がかかることがありますが、電子カルテであればデータとして保存できるので、スペースを借りる必要もないのです。

電子カルテの導入には初期費用や月額費用などがかかるケースが多いですが、それでも紙のカルテに比べてコスト削減につながるので、将来的に医療費の節約を目指したいなら電子カルテの導入がおすすめです。


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電子カルテの導入費用の相場

電子カルテの導入にかかるコストとは?

電子カルテの導入にかかるコストとは?

電子カルテの導入にかかるコストは、オンプレミス型かクラウド型によって異なります。オンプレミス型の場合、レセプトコンピューター・医師用の電子カルテ・院内ネットワーク用のサーバーの3台構成で、初期費用が300万円~500万円程度、月額費用が2万円前後となっています。

一方、クラウド型は、初期費用が発生しないものから、多くても数十万円程度のところが多くなっています。クラウド型の初期費用が安い理由の一つとしては、院内サーバーの設置等が必要ないからです。クラウド型であるため、インターネットさえつながっていれば電子カルテを利用できます。手軽な電子カルテとして近年人気を集めているので、コスト重視ならクラウド型がおすすめです。

ここまではオンプレミス型とクラウド型の初期費用や月額費用にて発生するコストを紹介しましたが、実際にかかる費用は電子カルテを提供しているサービスによっても異なります。下記では、その他にかかることがあるコストについても紹介しているので、そちらも参考にしてください。

カスタマイズ費用

カスタマイズ費用は、病院やクリニックのニーズに合わせたシステムのカスタマイズをすることです。簡単に言えばオーダーメイドという形になるため、カスタマイズをしたい場合も別途費用が必要になるケースがあります。

トレーニング費用

紙カルテから電子カルテへ移行するとなると、医療従事者が使いこなせるようにするためのトレーニングが必要になるケースがあります。具体的には基本的な操作からデータ入力方法、患者情報の管理の手順、セキュリティに関する知識など、身につけなければならないスキルがいくつかあります。

特に機械操作が弱いと思われている医療機関では、トレーニングをしないと個人情報の流出にもつながる可能性があるなど危険です。安全に、正しく利用するためには、別途費用が発生するもののトレーニングは実施した方が安心でしょう。

ハードウェア費用

電子カルテの導入には、システムを運用するための各種ハードウェアが必要です。具体的に必要なものとしては下記に記載しているので参考にしてください。

  • デスクトップPC:10~20万円程度
  • ノートパソコン:10~20万円程度
  • タブレット:5~10万円程度
  • サーバー:規模に応じて異なる
  • その他の機器:Wi-Fi・ルーター・プリンター・バーコードリーダー等

※費用は目安です。

上記がシステムを運用するために必要なハードウェアとなっており、事前に準備する必要があります。電子カルテを導入する際には、ハードウェアやその他にかかる費用なども計算しながら、予算に合うものを選ぶことが大切です。

電子カルテの導入準備

電子カルテの導入準備

電子カルテの導入で失敗しないためには、導入前の準備が大切です。ここでは特にチェックしておきたいポイントについて紹介するので参考にしてください。

導入の目的を明確にする

1つ目のポイントは、導入の目的を明確にすることです。電子カルテには幅広い種類があり、それぞれのサービスで機能などが異なるケースがあります。導入してから使いづらいと感じてしまうと失敗の恐れがあるため、目的を明確にし、それにマッチした電子カルテを選択しましょう。

現状の問題点を考える

2つ目は、現状の問題を考えることです。例えば、情報が探しにくく、時間がかかってしまう問題を解消したいなら、検索機能がある電子カルテがおすすめです。検索ができればカルテを探すのに苦労しないため、問題点を解決することができます。

また、医師から医師、医師から看護師といったような情報共有をもっと早くしたいといった悩みがあるなら、リアルタイムで共有ができる電子カルテへ移行することで、情報の伝達が今まで以上に早くなります。

このように、各医療機関で現状の問題は異なるので、電子カルテの導入準備としては悩みが解決できるシステムであることをチェックしてから選ぶことが大切です。

機器の準備

3つ目は、機器の準備を進めることです。電子カルテを導入する前の準備として、必要なパソコンやタブレット等を購入し、設置を進めることも大切です。

電子カルテを導入したものの、パソコンやタブレット等の準備が進んでいないと、スムーズに活用することができなくなります。まずは必要な機器を揃えることが大切なので、準備が進んでいない医療機関は事前に設置しておきましょう。

使い方のマニュアルを用意する

4つ目は、使い方のマニュアルを用意することです。どのような電子カルテを導入するかが明確に決まったら、誰でも使いこなせるようにマニュアルを用意することで、使い方で困ることがなくなります。

電子カルテは便利なシステムですが、使用する人全員がスムーズに使えなければなかなか定着しません。定着させるためにもマニュアルは必須なので、事前に準備しておくことをお勧めします。


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電子カルテの導入手順

電子カルテの導入手順

ここからは、電子カルテの導入手順を紹介します。導入の流れについて知りたい方は参考にしてください。

➀電子カルテの選定

電子カルテの導入手順として、まずは自院にとって一番良いものは何か選定することが大切です。選び方は重要なポイントの一つなので、後悔しないためにも下記のポイントを意識しながら選んでみてください。

  • 気になっている電子カルテを比較する(コスト、サポート、画面デザイン、操作性など)
  • 無料トライアルを利用する
  • 専門家の意見を聞く

上記の項目は重要なポイントになるので、選定する際には参考にしながら選んでください。

➁要件確認やシステム設定

➀が完了し、自院に適した電子カルテが見つかったら、要件確認やシステム設定を行います。

電子カルテによってはカスタマイズが可能なものもあるので、この場合は課題となる要件等をしっかりと伝えましょう。

また、システム設定時には、電子カルテの初期設定や操作説明などをどのように受けられるか確認することも大切です。特にクラウド型においては、オンプレミス型と比べて手厚いサポートを実施していないケースもあり、メール対応のみの場合もあります。

システム設定に詳しくない場合は、サポートの範囲やコストなども確認しておくことをおすすめします。

➂試験運用

紙のカルテから電子カルテへと移行する場合、最初から完璧に使いこなすのは難しく、徐々に慣れていきながら運用を進めることになります。できる限りスムーズに移行するためには、マニュアルなども用意し、試験運用を始めましょう。

試験運用期間中は、紙のカルテに比べて時間がかかってしまうことがあります。逆に効率が悪くなることも考えられるため、慣れるまでは紙カルテとの併用もしながら進めていくことで徐々に慣れていくことができますし、スムーズな運用が可能になります。

➃運用開始

試験運用が終了すると、いよいよ本格的に運用開始となります。電子カルテは個人情報を扱うため、最初は不安に思うかと思いますが、基本的には保守・サポートが万全なシステムを選んでいれば対応してもらえるため心配ありません。

ここまで導入手順を紹介しましたが、電子カルテの選定から本格運用開始までは、概ね半年から1年程度は必要になります。焦って導入してしまうと失敗してしまうケースもあるため、できる限り専門家にも意見を聞きながら進めていきましょう。

まとめ

今回は電子カルテの導入準備から導入手順まで幅広く紹介しました。電子カルテは普及率が徐々に上がってきており、多くの病院やクリニックで使用されていますので、紙のカルテからの移行を考えている方は、今回紹介した流れも参考にしながら導入を進めてみてください。

メディカルツールナビでは、それぞれの病院やクリニックに適した電子カルテシステムの提案や、IT導入補助金を活用した導入支援を実施しています。できる限りコストを抑えて自院に適した電子カルテを導入したいと考えている方は、お気軽にご相談ください。


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